今回はネットを扱う人であればだれでもかかわるDNSの本について読んでみました。
【本の概要】
技術書レビュー:DNSがよくわかる教科書
タイトル:DNSがよくわかる教科書
ページ数:355ページ
著者 :株式会社日本レジストリサービス(JPRS) (著),
出版社 :SBクリエイティブ
発売日 :2018/11/21
【概要】
今回は最近トラブル気味のDNSについて理解するために購入。
読書期間はだいたい1月半程度。
著者である株式会社日本レジストリサービス(JPRS) (著)は「.jp」で終わるドメイン名(JPドメイン名)の登録・管理をおこなっている会社。
【所感】
はじめにインフラエンジニア・DNSに携わるエンジニアは読んでおいて損はないと言える一冊だと思いました。
本書は3部14章の構成となっており、DNSの仕組みが誕生するに至った背景から、DNSが提供する名前解決の基本的な機能を示した基礎編。
実際の運用に初めて抱えある人を対象にDNSを動かすための設定等を紹介している実践編。
DNSの安定運用に必要となるノウハウや、セキュリティの観点を踏まえた対策に関して記されているアドバンス編から構成されています。
全体を通して図が多く、DNSに関する基礎的な仕組みを分かりやすく学習できました。
例えば、情報処理試験の学習をしている際によく『ゾーン転送』という単語が出てきており、本書を読む前の理解としてはDNSサーバ同士で情報を同期しているのか。ふ~んぐらいの理解であったが、本書を読むことで圧倒的に理解が深まりました。ゾーン情報の元となるレコード(AレコードやNSレコード)の種類からそのレコードが受け渡したいレコードの内容まで詳しく載っています。
また、DNSサーバを実際に構築する際の設計思想だったり、実際にDNSサーバを構築する事例まで記載があり、手を動かしながら学ぶこともできました。
また運用監視の面でも、DNSサーバの状況を監視するためのコマンドでの動作確認、監視ツールの紹介等もありました。
自分自身、DNSについては、もともと普段あまり意識することなく、クライアント側でフルリゾルバのDNSを設定するぐらいの知識しかもっていなかったり、オンプレでDNSサーバ構築する際にも、あまり内容を深追いせず、画面UIに従ってぽちぽちしてるだけで、構築出来たと甘えておりました。
ただ、最近、AWSやAzureなどインフラマネージサービスとして提供されているDNSサービスを使うことで、うまくいかない点も多く、今回のこの本でDNSの仕組みを学びなおそうという思いに至り実際、すごく勉強になりました。
DNSの仕組み自体は、スタブリゾルバ、フルリゾルバ、権威サーバ、ルートサーバ、DNSサーバなど名前が統一されていなかったり、同じいい方でも著者の指し示すものが異なったりと、ややこしい部分がおおくあります。
そういった意味でもDNSの『仕組み』を理解することは非常に大切だと思います。
ぜひインターネットを支える『仕組み』であるDNSを記した本書は、エンジニア部隊に読んでほしい1冊だなと思いました。